この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
汗をかくということは身体の温度を調節するという意味で、とても重要な役割があります。特に脇は熱が高まりやすい部位なので、体温調整のためには汗をかくことが必要になります。
通常、一般汗と言われる汗は臭いないのですが、腋臭(ワキガ)体質の方にとっては、このような汗も腋臭(ワキガ)を起こす引き金となります。そして脇汗は見た目としても、シャツにべっとりと広がった汗ジミや黄ばみはとても恥ずかしいものです。
今回はこのような脇汗の種類についてご説明したいと思います。実は一言で脇汗といってもいくつかの種類があるんです。
脇汗の3つの種類とその違いについて
脇に汗をかきやすいのは、体温を調節する役割があるからです。気温が上がる夏は外気により体温が上がりすぎないように、汗で熱を放出させて体温を一定に保っています。脇は体温が上がりやすく汗腺も多いので、汗をかきやすくなります。
そして体の汗腺には2つの種類があります。
一つはエクリン汗腺です。エクリン汗腺からでる汗はエクリン汗と呼ばれ、全身のエクリン腺から出ます。脇にも多数のエクリン腺がありますが、汗の成分は99%以上が水分なのでほとんど臭いはありません。サラサラしていて、水のような汗です。残り1%に塩分やアンモニアなどが含まれています。このような体温調節のための汗は、エクリン汗腺からの汗です。
もう一つはアポクリン汗腺があります。アポクリン汗腺は、体ではごく一部の限られた部位にしかありません。脇の下や、陰部、耳の中、乳輪などにあり、アポクリン汗腺から出る汗は、タンパク質や脂質、糖質、鉄分などが含まれています。皮膚の細菌がこれらを分解するときに臭いの元となる成分を発生させ、それが腋臭(ワキガ)の原因となります。エクリン汗腺からでるサラサラした汗に比べて、少し白っぽくネバネバしていているのが特徴です。腋臭(ワキガ)の臭いは、このアポクリン汗腺が大きく影響しています。
脇は汗をかきやすい部位なのですが、脇汗をかくのは次のような理由があります。
- 温熱性発汗
- 味覚性発汗
- 精神性発汗
脇汗の種類:温熱性発汗とは
温熱性発汗は、体温が上昇したときに、体温を一定に保つために汗をかくことです。汗をかくことで体の水分が蒸発し、汗と共に熱が放出され体温が下がります。
また外気温の上昇による体温の上昇を防いだり、運動をして体温が上がった時に体温を下げたり、お風呂などで体温が上昇するのを抑えるためにかく汗も温熱性発汗です。温熱発汗は熱の放出にはとても大切で、体温が上がって汗が出ないと体内に熱がこもり、熱中症などを原因になることもあります。
人の体温は通常36~37°で保たれています。この体温が体内の代謝酵素や細胞組織が活発に働くのには適温です。反対に40度を超えると、細胞のタンパク質が変容し危険な状態となります。体温が適正値を越えて上昇すると、脳の中枢から体温を下げる命令がでて、全身の汗腺から汗が出るようになります。これが温熱性発汗です。頭皮、顔、胸、背中、お腹、腕、脚など全身の汗腺の毛孔から汗が出ることで、熱が放出され体温が下がります。
体温調節の温熱性発汗は、エクリン汗腺からの汗です。エクリン汗は、体温上昇に対応するために素早く熱を放出する必要があるので、全身から素早く発汗します。このような働きに応じるためにエクリン腺は、体全身に広く分布しています。エクリン腺の汗は、99%が水分で構成されていて残りは、塩分やミネラル類などです。肌の保湿成分や、感染を防ぐ成分も含まれているので、肌や皮膚にとっても大切な汗と言えます。
そして汗腺には、働いている汗腺(能動汗腺)と働いていない汗腺(休眠汗腺)があります。同じ汗腺でも、環境により能動汗腺と休眠汗腺として発達します。例えば、常時、汗をかかない環境下(空調の効いた室内、適温の外気)で生活していると汗をかかないことに慣れて休眠汗腺が多くなります。そのため全身で汗をかくことができなくなり、特定の部位にのみ汗が集中します。脇汗もその一つです。体はそれほど汗をかいていないのに、脇だけぐっしょりなんていうのも起こります。そのため普段から良い汗をかくとはとても重要なことです。
そして温熱性発汗の妨げになるのが皮下脂肪です。皮下脂肪は熱を閉じ込める役目があり、断熱材のように熱を放出しにくくします。皮下脂肪が厚いと、体内の熱が体内で高まり汗をかきやすくなります。太っている人が汗をかきやすいのはそのためです。そして育ってきた環境が影響することもあります。能動汗腺とは、汗腺の中で活動状態にあり汗をかく汗腺のことですが、生まれ育った環境が高温多湿の人は、能動汗腺が発達しています。能動汗腺か休眠汗腺かは3歳までに決定づけられると言われているので、3歳までの子ども時代を汗をかきやすい場所で過ごした方は、能動汗腺が活発に働きやすくなります。一方で寒冷な地域に住んでいる人は、能動汗腺が活発に働かず汗をかきにくい体質になります。
このように温熱性発汗は大切な体温調節機能ですので、体にとっては不可欠な発汗です。腋臭(ワキガ)に悩む方にとっても、温熱性発汗で良い汗をたくさんかくことは結果的に悪い汗を減らすことになり、腋臭(ワキガ)を良い面があると言えるでしょう。
脇汗の種類:味覚性発汗とは
味覚性汗発汗は、辛いものや熱いものを食べた時の発汗です。鼻や額などに汗をかくことが多いですが、全身から汗がでることもあります。味覚性発汗は、誰にでも起こる生理現象ですが、味覚神経が過度に働くと、辛いもの熱いもの以外でも汗をかくことがあります。また少しの量で異常なほどの多量の汗をかくこともあります。味覚性発汗は体温の上昇も起こるので、温感性発汗と同じように全身に汗をかきます。味覚性発汗が起こる部位は、額が特に多いです。そのため、足や手のひらなどにはあまり味覚性発汗で汗をかくことはありません。
未覚性発汗の理由は、例えば辛いものの場合、辛いものに含まれる成分のためです。唐辛子に含まれるカプサイシンは、痛覚神経を刺激してアドレナリンを分泌します。アドレナリンが交感神経を刺激して、脳が汗腺に発汗の命令を出すと全身から発汗が起こります。カプサイシンは、ダイエット食品などにも使われています。カプサインシンは刺激が強く、口腔粘膜や食道粘膜を傷つけることもあるので、過度の摂り過ぎないことが大切です。他の食べ物や飲み物でも基本的な同じように発汗が起こります。
味覚性発汗は、辛いものをたべると、顔が火照る、顏から汗が噴き出してくる、額や頭部から汗が流れ落ちるなどのように徐々に激しくなります。最近では、辛いもの流行りで常に辛いものを食べていないと味覚が満足しない味覚異常などの症状の方もいます。そして辛いものの摂り過ぎで、味覚性発汗が異常に発達している方もいます。通常、味覚性発汗は、温感性発汗と同じような一般汗ですので、臭いはありません。しかし毎回食事ごとに汗をかいていると、汗腺が通常以上に活発になってしまうこともあります。
脇汗の種類:精神性発汗とは
精神性発汗は、緊張や不安、興奮、ストレスなどの理由による発汗です。精神性発汗は精神的に緊張の強い影響下に置かれることで自律神経が乱れ、それが発汗に繋がります。常にストレスの高い状況で、自律神経の交感神経が活発になるので汗をかきやすくなります。精神性発汗による汗は、手のひら、足の裏、脇の下、額などにかきます。体温の上昇とは直接関係がないので、精神的、心理的な理由のみから発生する汗です。精神性発汗はアポクリン汗腺から出る汗です。ベタベタとして粘着質であるのが特徴です。そして腋臭(ワキガ)の原因となる汗でもあります。精神性発汗の部位は、手のひらや脇の下で起こります。緊張状態で常時汗をかいている状態が続くと、汗がとまらない、常に汗をかいているようになります。これが精神性発汗により多汗症となる原因です。精神性発汗はアポクリンから汗腺から出る汗で、不純物を多く含んでいます。これが腋臭(ワキガ)へと繋がります。年代的には思春期に起こりやすく、腋臭(ワキガ)が思春期から始まるのもその理由の一つです。